遺留分侵害額の計算に注意
Q.先日、母が亡くなり、遺言書に従って、同居していた長男である私がその住まいである都心のマンション1室と預貯金をすべて相続することになった。
父はすでに他界しており、他に妹と弟がいるが、昨日その妹から「弁護士事務所から遺留分侵害額請求の内容証明が届くと思うのでよろしく」との連絡があった。
ネットで調べたところ「遺言書があったとしても法定相続分の半分は遺留分として金銭で請求できる権利」とのことだが、それにしても、母の意思で「長男に全財産を相続させる」と言っているのに、遺留分という制度がそうさせてくれないというのは納得できない。それでは何のための遺言書か。
早速計算してみたところ、マンションの相続税評価額は2,000万円、預貯金が400万円なので、法定相続分3分の1の半分、つまり6分の1の400万円が遺留分侵害額と判断した。
まぁ「自分が母の面倒を見たのに」とか「同居していた時の生活費はオレが負担していたのに」とか言いたいことは山ほどあるが「遺留分侵害額請求というのは彼らの権利」だと言われれば仕方ない。
念のため弟にも確認したところ、彼は請求する気はないようだ。
400万円なら相続した預貯金で払えるし、相続税もかからなし、特に今の生活に困ることはない。
兄妹間で揉めたくもないので、内容証明が届き次第支払うつもりでいるが、問題ないか。
A.逆に支払わないと財産を差し押さえられる可能性があるので、支払うことで問題はありません。
ただし、相続税評価額はその名の通り相続税を計算するための指標に過ぎず、時価ではありません。
以下のケースでは時価評価、あるいは鑑定評価が必要となります。
・ある相続人が不動産を相続し、預貯金が少ない等の理由で他の相続人に相続分が行きわたらない時に、不動産の相続人が他の相続人に対して金銭で相続分を補う場合(代償分割)
・不動産を含む財産の相続人が、他の相続人から遺留分侵害額請求を受けた場合
なので、ご相談のケースは時価か鑑定によるマンション評価になります。
相続税評価と時価評価に大きな乖離がなければいいのですが、一般的に相続税評価は時価の8割と言われており、都心のマンションに至っては時価の半分以下になることも珍しくありません。
レインズで調べるてみると、先月このマンションで同じ広さの部屋の取引事例が3,800万円でありました。なんと相続税評価と比べ1,800万円も高いです。
つまり、妹さんからの遺留分侵害額請求は3,800万円+400万円の6分の1で「700万円」くらいになると予想されます。
父はすでに他界しており、他に妹と弟がいるが、昨日その妹から「弁護士事務所から遺留分侵害額請求の内容証明が届くと思うのでよろしく」との連絡があった。
ネットで調べたところ「遺言書があったとしても法定相続分の半分は遺留分として金銭で請求できる権利」とのことだが、それにしても、母の意思で「長男に全財産を相続させる」と言っているのに、遺留分という制度がそうさせてくれないというのは納得できない。それでは何のための遺言書か。
早速計算してみたところ、マンションの相続税評価額は2,000万円、預貯金が400万円なので、法定相続分3分の1の半分、つまり6分の1の400万円が遺留分侵害額と判断した。
まぁ「自分が母の面倒を見たのに」とか「同居していた時の生活費はオレが負担していたのに」とか言いたいことは山ほどあるが「遺留分侵害額請求というのは彼らの権利」だと言われれば仕方ない。
念のため弟にも確認したところ、彼は請求する気はないようだ。
400万円なら相続した預貯金で払えるし、相続税もかからなし、特に今の生活に困ることはない。
兄妹間で揉めたくもないので、内容証明が届き次第支払うつもりでいるが、問題ないか。
A.逆に支払わないと財産を差し押さえられる可能性があるので、支払うことで問題はありません。
ただし、相続税評価額はその名の通り相続税を計算するための指標に過ぎず、時価ではありません。
以下のケースでは時価評価、あるいは鑑定評価が必要となります。
・ある相続人が不動産を相続し、預貯金が少ない等の理由で他の相続人に相続分が行きわたらない時に、不動産の相続人が他の相続人に対して金銭で相続分を補う場合(代償分割)
・不動産を含む財産の相続人が、他の相続人から遺留分侵害額請求を受けた場合
なので、ご相談のケースは時価か鑑定によるマンション評価になります。
相続税評価と時価評価に大きな乖離がなければいいのですが、一般的に相続税評価は時価の8割と言われており、都心のマンションに至っては時価の半分以下になることも珍しくありません。
レインズで調べるてみると、先月このマンションで同じ広さの部屋の取引事例が3,800万円でありました。なんと相続税評価と比べ1,800万円も高いです。
つまり、妹さんからの遺留分侵害額請求は3,800万円+400万円の6分の1で「700万円」くらいになると予想されます。