大規模修繕工事が過去に1度も実施されていない
Q.35世帯あるマンションの区分所有者だが、築40年以上経っているにも関わらず、1度も大規模修繕が実施されていない。
不具合があればその都度管理会社から見積もりを取り、対症療法的な修繕となっている。
そもそも新築当時から管理規約は改正されておらず、管理会社も面倒なのか提案してくる様子もない。
長期修繕計画などは見たことがなく、あるのかどうかも不明である。
また、運営に誰も関心を示さず、総会も役員も形だけで、すべては管理会社の言いなりである。
一応、管理会社に大規模修繕について聞いてみたところ「現在の修繕積立金の残高で実施するのは無理です。桁が1つ足りません」と言われた。
さすがにこのまま住み続けるのは不安だが、売却するにしてもこんな問題を抱えたマンションでは大した金額にはならないのでは、とも考えてしまう。
いったいどうしたものか。
A.まずは長期修繕計画案の作成が必要です。
建物の現状を診断して、向こう25年(出来れば30年)の修繕計画とその総費用を算出します。
そこから現在の積立金残高を差し引いた残りを逆算し、毎月いくら積み立てればいいかを求めます。
それを各戸の議決権割合で按分すれば、各戸いくら値上げすればいいのかが分かりますね。
ところが、長期修繕計画の作成はかなり難易度が高く、外壁塗装や屋上防水、給排水管更新など工事種別ごとに見積書が必要です。
また、出てきた見積もりは種別ごとの工事間隔も考慮したうえで修繕計画書に落とし込まないといけませんので、かなり大変な作業となります。
管理会社には本来長期修繕計画作成のサービスがあります。
なので、建物のことを良く知っている管理会社に相談し、費用をかけてでも彼らに長期修繕計画を作成してもらった方が効率的です。
なぜ今まで何の提案もせず放置していたのかは気になるところですが、そのことも含めて一度相談してみてはいかがでしょうか。
そして次のステップは、総会の特別決議にて修繕積立金値上げの承認(区分所有者数、議決権総数ともに4分の3以上)を得なければなりません。
それには説明会等による事前の情報発信が欠かせません。
「今やらないとマズい」「問題を先送りにしてはいけない」などとしつこいくらい発信してください。
関心の薄い所有者や管理会社も巻き込んで、危機意識を共有し、たくさんの味方を得なければ4分の3はなかなか超えられません。
なお、説明会では単純に値上げということではなく、以下のようなオプション付きの提案でもいいと思います。
・一時金を集めて毎月の値上げ幅を緩和とてはどうか
・最初の大規模修繕工事は借入金にて実施してはどうか
・段階的に例えば5年毎に少しずつ値上げしてはどうか
とにかく、関心の薄い所有者とやる気のない管理会社に目を向けてもらい、そして協力を得られるようになるには、かなりのパワーが必要ですし、一人で進めるのは並大抵ではありません。
まずは、お隣さんや比較的仲のいい所有者に話をして、少しずつ味方を広げていきましょう。
不具合があればその都度管理会社から見積もりを取り、対症療法的な修繕となっている。
そもそも新築当時から管理規約は改正されておらず、管理会社も面倒なのか提案してくる様子もない。
長期修繕計画などは見たことがなく、あるのかどうかも不明である。
また、運営に誰も関心を示さず、総会も役員も形だけで、すべては管理会社の言いなりである。
一応、管理会社に大規模修繕について聞いてみたところ「現在の修繕積立金の残高で実施するのは無理です。桁が1つ足りません」と言われた。
さすがにこのまま住み続けるのは不安だが、売却するにしてもこんな問題を抱えたマンションでは大した金額にはならないのでは、とも考えてしまう。
いったいどうしたものか。
A.まずは長期修繕計画案の作成が必要です。
建物の現状を診断して、向こう25年(出来れば30年)の修繕計画とその総費用を算出します。
そこから現在の積立金残高を差し引いた残りを逆算し、毎月いくら積み立てればいいかを求めます。
それを各戸の議決権割合で按分すれば、各戸いくら値上げすればいいのかが分かりますね。
ところが、長期修繕計画の作成はかなり難易度が高く、外壁塗装や屋上防水、給排水管更新など工事種別ごとに見積書が必要です。
また、出てきた見積もりは種別ごとの工事間隔も考慮したうえで修繕計画書に落とし込まないといけませんので、かなり大変な作業となります。
管理会社には本来長期修繕計画作成のサービスがあります。
なので、建物のことを良く知っている管理会社に相談し、費用をかけてでも彼らに長期修繕計画を作成してもらった方が効率的です。
なぜ今まで何の提案もせず放置していたのかは気になるところですが、そのことも含めて一度相談してみてはいかがでしょうか。
そして次のステップは、総会の特別決議にて修繕積立金値上げの承認(区分所有者数、議決権総数ともに4分の3以上)を得なければなりません。
それには説明会等による事前の情報発信が欠かせません。
「今やらないとマズい」「問題を先送りにしてはいけない」などとしつこいくらい発信してください。
関心の薄い所有者や管理会社も巻き込んで、危機意識を共有し、たくさんの味方を得なければ4分の3はなかなか超えられません。
なお、説明会では単純に値上げということではなく、以下のようなオプション付きの提案でもいいと思います。
・一時金を集めて毎月の値上げ幅を緩和とてはどうか
・最初の大規模修繕工事は借入金にて実施してはどうか
・段階的に例えば5年毎に少しずつ値上げしてはどうか
とにかく、関心の薄い所有者とやる気のない管理会社に目を向けてもらい、そして協力を得られるようになるには、かなりのパワーが必要ですし、一人で進めるのは並大抵ではありません。
まずは、お隣さんや比較的仲のいい所有者に話をして、少しずつ味方を広げていきましょう。